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COLUMN

色を付けるために必要なもの

基礎知識

2025年7月9日

目次

色を付ける(着色)する為には「染料」と「顔料」と呼ばれる物質が使用されています。

今回は、「顔料」についてお話致します。

【顔料の歴史】
顔料の歴史は人類の文明とおなじくらい古く4万年前に遡り当時、黄土、木炭、様々な鉱物を使用して洞窟壁画を描いていたようです。

【顔料の特性と特徴】
顔料とは。水、油に溶けず固体粒子として存在し、物体の表面に色を付けることに特化しています。
顔料は物理的に色を定着させることで、物体の表面に付着して物質そのものには、浸透しません。
そのため、定着にはバインダー(接着剤)の助けを必要とします。

顔料には主に
・「無機顔料」・・・金属化合物からなり、耐光性や耐候性に優れる
・「有機顔料」・・・合成によって炭素化合物を基盤とした顔料で、無機顔料に比べて色彩が鮮やか
上記2種がありそれぞれ、使用用途によって使い分けされています。

【使用用途】
 顔料は
「印刷インキ」・・・繊維や紙などを着色する
「塗料」・・・建築用塗料や自動車用塗料として無機顔料が使用されている
「ゴム・プラスチック」・・・プラスチック製品
「光記録材料や半導体」・・・色鮮やかな有機顔料が使用されている
上記はほんの一例ですが様々な分野でしようされています・

【幟旗業界における顔料】
 幟旗業界のシルクスクリーン印刷の着色剤には顔料を用いています。
 幟旗業界はアパレル業界と違い非常に短納期であるため
 ・染料と比べ色合わせが容易であること
 ・プリント後の工程が簡素であること
 を理由に顔料をしようしております。

【繊維業界における顔料】
 繊維業界では、アナログ捺染(シルクスクリーン印刷等の有版捺染)から
 デジタル捺染に切り替わろうとしております。
 顔料を用いたデジタル捺染は、数年前まで非常に困難とされてきましたが、ヘッド技術の向上、分散技術の向上
 等から急速に拡大してきています。
 環境問題・人材問題等を抱えたアナログ捺染は数が少なくなってきました。
 職人と呼ばれていた時代は終わり誰もが簡易に作業できる時代へと変化していっています。

少し寂しい気持ちもありますが、印刷業界の進化とも考えられます。
 
 次回はインクジェット印刷について、お話していきます!